
取材・文・撮影 / 舘 幸子
安心安全の新鮮卵を贅沢に使った
みやぎ農園のマヨネーズ
近年SDGs(持続可能な開発目標)への関心が日本でも高まっていますが、沖縄県南城市にも「できる限り資源を無駄なく有効活用しよう」と「循環型農業」に取り組んでいる人たちがいます。
それは、平飼い養鶏業や有機野菜の栽培、卵を活用した加工品の生産・販売を行う「みやぎ農園」です。

鶏が健康でいられる環境づくり
みやぎ農園は「鶏が健康でいられる環境づくり」を徹底。鶏にとって自然に近い形で飼育するため、ケージには入れず、鶏が自由に動き回ることのできる“平飼い”を採用しています。

消毒剤や抗生剤に頼ることなく、たっぷりの青草と有用微生物(乳酸菌と酵母、光合成細菌をブレンドしたもの)を配合したオリジナル発酵飼料を“食べたい時に食べられる”環境を整えています。微生物の効果で鶏の健康状態は良好。
鶏舎の床に敷かれているふかふかの床は、鶏のフンに木クズや青草の繊維等鶏を混ぜ、発酵させてできた堆肥です。発酵飼料は、私たち人間が納豆やヨーグルトを食べて腸内環境を整えるように、鶏の腸内環境を健康に保つ発酵食品になっているそうです。


そんな鶏が産むのは、安心安全の健康卵。
卵独特のクセや臭みがなく、卵かけご飯で味わってみると、甘味がじんわりと広がります。しっかりとした旨味は感じられますが、後味はあっさり。毎日でも飽きないおいしさです。

卵を贅沢に使ったマヨネーズ
こちらは、そんな卵を贅沢に使ったマヨネーズ。卵の売り上げが落ちてしまうお正月やお盆時期に、廃棄せざるをえなくなってしまった卵を活用するための対策として20年ほど前に商品化されたものです。
開発当時は油の分離が頻繁に発生してしまい、油の種類や混ぜ方、温度などを変え、納得がいくまで何度も試作を繰り返したそうです。開発までには約2年もの歳月を要しました。
採れて24時間以内の新鮮卵を使ったマヨネーズは、卵本来の味を生かすため、原材料はとてもシンプル。ひと瓶に2.5個分の卵黄を使用することで、コクのある濃厚な味わいに仕上がっています。
